【大刀洗平和記念館】震電のプロペラって後ろに付いていたんだね

 2023年11月に公開された映画「ゴジラ-1.0」。戦後間もない日本に来襲したゴジラに立ち向かう人々の物語だ。 dnoura.hatenablog.com  ゴジラ映画は正直シン・ゴジラしか観たことなかったが面白そうだと思い観に行った。

 ゴジラ-1.0の劇中には震電という戦闘機が登場する。そして撮影で利用された震電は現在大刀洗平和記念館に展示されている。

 そして、この震電が大刀洗平和記念館に展示されるまでの流れがまた興味深い。

 震電自体はゴジラ-1.0が公開される前から展示されていたのだが、その時点ではそれがゴジラ-1.0の撮影に使われた模型であることは公開されていなかったし、公開してはいけなかったようだ。  

 震電が大刀洗平和記念館に展示されることは2022年に公になっている。

だが、今年になって東京の映像制作会社が震電の実物大模型を製作したことを知り、輸送費などを含め2200万円で購入。7月6日から展示を始めた。

【九州〝深〟探訪】幻の戦闘機「震電」模型展示 福岡県筑前町立大刀洗平和記念館, 産経新聞, 2022-08-05, 産経ニュース, https://www.sankei.com/article/20220805-YZPW5B3VCRIOXDXW6VBTNPGYFQ/, (参照 2024-01-08).

 記事には入手経緯も記されているが、当時この記事を読んだとしてもまさかこの「映像」がゴジラ映画だとは思わなかっただろう。

 ちなみにゴジラ-1.0の情報公開は2023年7月だったようだ。

 さて、そんな大刀洗平和記念館に行ってきた。  入口横にヘリコプターが展示されている。

 普段どれくらい人がいるのかわからないが、そこそこ人がいた。やはり震電効果だろうか。
 チケットを買った後、職員の方から簡単な説明を受け展示ブースに向かう。  こちらが震電ゴジラ-1.0の撮影に使われた機体(本物ではなく撮影のために制作された模型)だ。
 奥には零戦が展示されている。こちらは修復された本物だ。マーシャル諸島タロア島というところに眠っていた機体が巡り巡ってこの大刀洗平和記念館に展示されている。  零戦の横には足場があり、操縦席の中も確認することができる。

 2階からも展示された戦闘機を確認することができる。零戦のプロペラは機体の前方についているが、震電のプロペラは機体の後方についている。

 戦闘機としてスタンダードな設計なのは零戦の方で、震電エンテ型という主翼・エンジンを機体後部に設置するという特異な設計に基づき開発された戦闘機なのだそうだ。
 映画を見た時にはこのことに全く気づかなかった。そっかあ、プロペラ後ろについてたのかあ・・・

 かつてこの大刀洗には広大な日本軍飛行場があった。大刀洗平和記念館にはその歴史・成り立ちについて説明したパネルが展示されている。正直なんでこんなところに大規模な軍の飛行場ができたんだ?と思っていたので勉強になった。
 特攻隊についての展示もあった。人々の想いの記録。そして、特攻という戦術について視覚的・数値的な観点から知ることができる。特攻の映像には衝撃を受けた。また、これは別の部屋の展示になるのだが、特攻対策についても論理的に説明されていた。

 2階では震電の歴史について説明したパネルが展示されている。テストパイロットの感覚を正確に設計に反映するために操縦ができる技術者を育成していたらしい。実際設計者である鶴野正敬さんはテスト飛行の際は自ら操縦したそうだ。営業ができるITエンジニアみたいな感じかな。


 大刀洗平和記念館を出た後、道路を挟んだ向かいにあるラーメン屋「久留米ラーメン丸八」でラーメンを食べた。  福岡の豚骨ラーメンにしては結構あっさりしていた。個人的にはもうちょっと豚骨臭があるラーメンが好きかもしれない。でもすごい食べやすくて美味しかった!
 うめうめ。