【君たちはどう生きるか】余計な考察をする映画ではない【映画感想】

 宮崎駿監督の10年ぶりの長編新作「君たちはどう生きるか」。


 事前に広告を一切出さないことが逆に印象に残ってずっと気になっていた。
 ここまで事前に情報を出していないのに、インターネットでネタバレを喰らってしまうのは悔しいので早いうちに観に行った。



 よくわからなかったです。


 自分の読解力が無いせいかと思ったけれどそういうわけではないらしい。

 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。

 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。

 なんだ、監督自身がそう言ってんなら、余計な考察は不要だね。
 話の流れとか整合性とかそういうのは抜きに感想を語るのが良さそうだ。

 最初の方は「これは果たしてファンタジーなのか、それとも現実的な話のどちらなのだろう」と気にしながら観ていた。
 つまり、喋る生き物が出るかどうかが気になった。
 アオサギが喋り出したところで、「あ、これはファンタジーよりの話なんだな」と納得して物語に入ることができた。

 物語全体についてだが、ワクワク感は最後まであった。
 次はどうなるんだろう。どんなオチになるんだろう。といった期待感が最後まで続いた感じだ。
 一応最後にオチはついたが、唐突すぎて正直全然消化できなかった。
 途中のあのエピソードは一体何だったの?あのキャラクターについては特に深ぼらないの?といった感想しか残らなかった。

 ネガティブなことしか言ってないように見えるけど、そういうものだと割り切って考えると面白い映画だったと思う。
 ジブリっぽい液体の表現も随所に見受けれたし、動物の描写も「ああ、ジブリだなあ」って感じることができた。
 特に獣型と人獣型の間を行ったり来たりするアオサギは面白かった。

 最近は映画にせよアニメにせよ、観終わった後「あれがどうだった」「このキャラがこうだった」といろいろ考察することが多かったから、こんなふうに観終わった後ポカーンとするような経験もありだと思う。
 正直何でもかんでも考察するのは疲れるからね。


 観る前に期待していた内容とは全然違ったけど、久しぶりのジブリ(多分映画館で観るジブリは「千と千尋の神隠し」以来かも)結構楽しめた。
 事前に広告を出さないという荒技はジブリだからこそ、宮崎駿だからこそできることだとも思うが、邦画の世界に新しい風を巻き起こすならそれはそれでちょっと面白そうだ。

 やはり映画はいいね。
 最近は観に行こうと思ってもなかなか観に行けず、いつの間にか上映終了していることも多かったから、 また時間作っていろいろ観に行こうと思う。