【ザ・ジョジョランズ 1】主人公の今後の成長に期待する【漫画感想】

 1986年から連載されている長寿漫画「ジョジョの奇妙な冒険」。その第・・・えーっと今は第何部だっけ?ジョルノが5部でストーンオーシャンが6部、7部がSBRで8部がリオンだから、そう、第9部!

 今シリーズのタイトルはThe JOJOLandsザ・ジョジョランズ

 ジョジョの奇妙な冒険は全巻読んできたが、連載を追いかける形で読むのはジョジョリオンの中盤になってからだ。だからジョジョランズが初めて最初からリアルタイムで読むジョジョシリーズになる。(少し遅いがまあ誤差の範囲)

ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ 1|集英社 ― SHUEISHA ―

とある日本人が600万ドルのダイヤモンドを持ってハワイ島に入国した。オアフ島に暮らす少年ジョディオ・ジョースターは、標的のダイヤを盗み出すため、仲間達と共に滞在先の別荘を訪れる。そこで一同が遭遇する謎とは…!?

 第1巻を読んだのでその感想を書き残しておこうと思う。

 主人公はジョディオ・ジョースター。ジョディオ!?DIO!??ええ・・・どういうこと?ジョジョランズの世界は7部・8部とつながりある世界のようだが、7部・8部ではジョースター家とDIOの因縁は登場しなかった。というよりDIOの存在自体が描かれていなかった。主人公の名前に「ディオ」という文字が入っていることに意味があるのかどうか、それはまだわからない。

 ジョディオのスタンドは11月の雨ノーヴェンバー・レイン。主人公のスタンドが人型じゃないのはジョニィ以来かな?明文化されてないが能力は重みのある雨を降らせること。なんかあんまり主人公っぽい能力じゃないな。ラッシュもできないそう。まあこれからどう成長するか楽しみだ。カバーそで・・でも作者が主人公の成長を願っているし。

 とはいえ主人公ジョディオ、今の所ただのチンピラだ。黄金の精神のかけらも感じない。まず普通に違法薬物の売買をしている。ブチャラティがブチ切れるぞ。
 そして言動も小物っぽい。男警官はともかく真面目に職務果たしている女警官に対して公正フェアじゃないとか言っているが、違法行為しておいてそこにキレかけるのはわがまますぎると思う。主人公含む4人パーティでとある別荘に強盗しに行く時もジョディオの役割はただの見張りだった。本人も認識しているようだがチームの中での地位は低い。自分の意見を主張せず周りの指示に従うだけ。あまり喋らないくせに心の中は多弁だ。お前本当に主人公か?
 ただ15歳の少年がたった20のチェックリストに回答しただけで反社会性とかいうレッテルを貼られたら確かに穏やかにはいられないと思う。これから主人公が成り上がる・成長する物語であるならば、逆にいうと序盤は精神的な幼さを持った人物として描かれることに違和感はない。

 すでに書いたように1巻終盤では主人公含む4人パーティがとある別荘に強盗をしに行く。ジョディオ以外の3人ももちろんスタンド使いだ。
 ドラゴナ・ジョースター。ジョディオの兄だが女性のような容姿をしている。スタンドはスムース・オペレイターズ。みんな大好き群体型スタンドだ。能力の説明はなかったが、描写を見るに物体の表面を自在に改造することができる。ただし、あまり重いものを動かすことはできない。なかなかいろんなシーンで活躍できそうだ。
 パコ・ラブランテス。ジョディオの友人ではないが仕事仲間という感じらしい。スタンドはTHEハッスルヴィジョンがないタイプのスタンドだ。自分の筋肉をデコボコさせて物を掴むことができる。ええ・・・地味すぎる。そんな能力でどうやって戦うんだよ。
 ウサギ・アロハオエ。今回の強盗ミッションで初めてチームに参加した人物。スタンドはTHE MATTEマッテKUDASAIクダサイ。いや名前がダサすぎる。スタンド名を叫ぶ時どうするんだよ。これに乗らなきゃ遅刻するってバスにギリギリ間に合わなかった人になるじゃん。このスタンドは「在るモノで誰かが欲しいと思うモノ」に変身することができる。能力はなかなか有用だ。でもやっぱ名前だよな。「おい!ウサギ!!マッテクダサイだ!!!」って言った時に、スタンド能力を使って欲しいのか、自分を置いていかないでと丁寧に頼んでいるのかわからないよ。

 そしてジョジョランズ、なんとあの男が登場する。そう、岸辺露伴だ。7部以降のジョジョは6部までのキャラクター・スタンドと同じ名前もしくは近い名前のキャラクターやスタンドが多く登場する。ただし性格や過去も含めて全く同じ人物ではない。あくまで並行世界の別人という感じだ。しかし、今の所ジョジョランズの岸辺露伴は4部の岸辺露伴と全く同じだ。容姿名前はもちろん「ピンクダークの少年」という漫画を描いている漫画家である点、その言動、そして何よりスタンド「ヘブンズ・ドアー」まで全く同じだ。どういうことだ?確かに「時の加速する世界」でいつもと変わらず原稿を上げることができたらしいが、まさか「時の加速」そのものについてきたというのか?まさか「天国へ行く方法」と「天国への扉ヘブンズ・ドア」・・・ 何か関係があるってコト!?
 まあ妄想は置いといてストーリーに戻ろう。ジョディオたちの狙いは岸辺露伴が日本から持ち込んだダイヤモンドだった。しかし、謎のスタンド能力の妨害に遭い岸辺露伴に見つかってしまう。それにしてもヘブンズ・ドアーが強い。触れただけで相手を戦闘不能にしてしまうと同時に相手の情報も読み取れる。4部メンバーは攻撃特化なスタンド使いが多かったから隠れていただけで岸辺露伴も普通に強者だったことを忘れていた。まあ露伴先生の強さはどちらかというとスタンドではなくその精神にあるとは思うが。

 どうやら岸辺露伴のダイヤモンドはただのダイヤモンドではないらしい。岸辺露伴はジョディオたちがダイヤモンドを値打ち物としか認識していないことに安心していた。ダイヤモンドの動きも少し変だった。バックに入れたはずなのにいつの間にか落ちていたり、手に取ったはずなのに手の中になかったり。このダイヤがジョジョリオンにおけるロカカカみたいなキーアイテムになるのか?ダイヤ強奪を邪魔したスタンド使い猫の正体も謎だ。この猫は正体は露伴もわかっていないらしい。そして今のところいいところが全くないジョディオがこのピンチにどう立ち向かうのか。

 まだジョジョランズのストーリーに入り込むことができていない。ジョジョリオンも序盤の展開は割とゆっくりだった気がする。東方定助の目や舌に「繋ぎ目」があることがわかったところから話に引き込まれた。ジョジョランズもこれからゆっくりとストーリーが進むだろうから気長に追いかけようと思う。