自転車のヘルメット着用努力義務化について法律がどう変わったのか調べてみた

 少し前に、来年から自転車のヘルメット着用が努力義務化されるというニュースを聞いた。

 軽く調べると2023年の4月から実施される政令で、自転車に乗る人のヘルメット着用の努力義務が課せられるようだ。

 さまざまなニューサイトで紹介されていたので「自転車乗る時はヘルメット着けなきゃだな」とは思うようになったのだが、「じゃあ具体的に法律がどう変わったのか」はよくわからなかった。

 

 何か新しいライブラリやソフトウェア・フレームワークを利用する時は当然公式ドキュメントを参照する。

 じゃあ、自転車に乗るときのルールを確認したいなら、当然自転車に乗るときのルールを定めた法律「道路交通法」を参照すべきだ。

 

 今まで意識したことなかったが法律はインターネットで簡単に調べることができる。

 どれでもよかったが、今回はe-Gov 法令検索を利用した。

 このe-Gov 法令検索、今施行されている法律だけでなく、未施行の法律についても確認することができる。

「沿革」から来年4月に施行予定の改正法選択できる

 つまり、自転車ヘルメット努力義務化が課せられていない現行の法律と来年の4月に施行される自転車ヘルメット努力義務化が課せらている未施行の法律の両方が確認できるのだ。

 

 だがしかし、法学部を卒業したわけでもない一般成人男性にとって、施行前の法律と施行後をの法律をただ見比べてもどこが違うのか確認するのは容易ではない。

 だがしかし、我々は文字および文字列で構成された資料を複数人で共有・管理するためのツールを知っている。

 我々はそのツールをその資料の、どの部分が、いつ、誰によって更新されたのか確認することに使うことがある。

 

そう、GitHubである。

 

 e-Gov 法令検索では閲覧している法律をHTML形式でダウンロードできたので、現行の施行済みの法律をHTMLファイルとしてmainブランチにcommitし、そのHTMLファイルを「来年4月に施行予定の自転車ヘルメット努力義務化が追加される未施行の法律HTMLファイル」で上書きするようなPRリクエストを作成した。

 

 そのPRのファイル差分を見てみると・・・

 

思ったよりわかりやすい

 

 いや、確かにHTMLタグがそのまま残っているので読みやすい文章かと言われると流石に否定せざるを得ないが、あくまで差分を確認するという目的に焦点を当てると個人的には超わかりやすいと思った。

 

 自転車のヘルメット義務化について確認してみると・・・

 あった!

 元々児童又は幼児を保護する責任のある者の遵守事項であった部分が自転車の運転者等の遵守事項に変わっている。

 もちろん元々あった、子供にもヘルメット着けさせてね、といった内容もそのまま残っている。

 ニュースサイトにあったようにヘルメット着用義務を課せられる対象が年齢関係なくなった、といった変更のようだ。

 

 また、これはニュースサイトでは触れられてなかったが、自転車に乗る人自身へのヘルメット着用義務だけでなく、同乗者に対するヘルメット着用義務についても記載されている。

 当然普通自転車の2人乗りは法律違反だと思うが、おそらく2人乗り用の自転車(タンデム自転車?)で誰かを乗せる場合に適用される法律だと思う。

 

 さて、別に公式ドキュメント法律を参照したところで何か意識が変わったということはなく、「自転車乗る時はヘルメット着けなきゃだな」という思いは全然変わってない。

 けれど、法律を見る機会はそんなになかったので結構楽しかった。

 また、今回は自転車のヘルメット着用義務だけに着目したけど、他にも面白そうな変更がいくつかあったので、また調べてみようと思った。

ついでに

 法律の差分をGitHubのように見ようというプロジェクトとしてLawHubというものがあった。

LawHub | 国会に提出された議案をGitHubのような差分形式で可視化します。

 ただしこのプロジェクト自体は停止しており後継プロジェクトに引き継がれているようだった。

 

 その理由の一つとして挙げられていた新旧対照法という文書でも法律の更新差分を確認することができた。

法律|警察庁Webサイト

 しかし、法律の文章が縦書きで、更新前の法律と更新後の法律が1ページを上下に2分割する形で掲載されていたので、ちょっとわかりにくかった(あくまで個人の感想です)。